川満由希夫 vol.16  「3日目セッション後半」 


実は3日目のセッションには

別の出来事もありました。

中身のない話をしてしまったあのセッション中に

僕はひっそりとある体験をしていました。


それは、僕の話が終わって、

前里が2人のやり取りで何が起きていたのかを説明し、

次の段階の話へと進んでいる時のことでした。



もう外は暗くなっていました。

部屋の中はもちろん明りがついています。

窓のそばでセッションをしていましたが、

外からの明りはありません。

セッション中の3人を照らすのはその部屋の明りだけでした。

だからこそ、それが不思議な体験だと思ったのです。


僕の向かって左側に前里、

右側に受講者の方が座っています。

僕から2人の距離は1mほどでしょうか。

とにかく2人は僕の「前」に座っています。

僕はその状態で前里の話を聞いていました。


そしてしばらくしてふと感じたのが、

柔らかい風のような感覚。

僕の右斜め後ろからでした。

風といえば吹くイメージでしょうが、

その風はそっと寄ってくる感じでした。

そしてその風には「色」がありました。

ものすごく細かい粒子の黒が、

薄~いベールを作っている感じ。

外国のお葬式の映像で、

女性が黒い帽子の前にたらしているベールのようなものが、

とてもとても薄くなって空中に浮遊すほど軽くなったようなもの。

それが僕の右斜め後ろからそっと寄ってきて、

僕の顔を撫でるように通り過ぎました。

影が横切ったと言えばわかりやすいのかもしれないが、

どうしてもそんな単純な描写では伝えられない感覚でした。

また、自分にかかる「影」を作るには、

自分の手を上にあげる必要があったので、

瞬時に勘違いではないと気づき、

一瞬「ドキッ」としましたが、

セッションの途中でもあったので、

僕はそのまま何もなかったように平然としていました。


そしてセッションの翌日、

僕はそれを前里に話しました。


そしたら意外なことがわかったのです。


前里は驚いていました。

「あれがわかったの?」

こう言いました。


そして僕は「宇宙人が通り過ぎたんじゃないの?」

と冗談交じりで言いました。

明らかに何者かを感じていた僕ですが、

こんなリアルな体験は初めてにもかかわらず、

なぜか冷静でした。


そして前里の言う「あれ」の正体を聞きました。

結局「あれ」は宇宙人ではありませんでした。

それでは「あれ」とはなにか。

その正体は

「宇宙人の意識」

でした。


どういうことかというと、

そのものが僕の前を通り過ぎたのではなく、

宇宙人がこちらに意識を向けただけだということでした。


前里が驚いていたのは、

その微細なエネルギーに僕が気づいていた

という事実に対してでした。


まさかあれがわかるとは思わなかった。

予想以上に知覚が拡大している。


そう言われた僕の心は子供に戻っていました。

昔から「超能力者」になりたかったので。

実は僕はあの瞬間の直後、前里にこう言っています。


「超能力者になったみたい」


それほどまでに衝撃的だったからです。

でもそれがただの冗談ではないということを、

こういう体験が教えてくれるのだと思いました。


そしてもう一つ前里が教えてくれたことがあります。

前里はこう話してくれました。



宇宙人はただ意識を向けただけではないよ。

意識を感じて窓の外を見たら、

あの木のずっと上の方に



「UFOが来ていたよ」



僕はワクワクしてその話を聞きながら

「もうそんなに遠くないんだな」

そう思っていました。



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