【再投稿】vol.1 「別の顔」 -ハント症候群との闘い- 




ヒーリング体験談 -ハント症候群との戦い-

vol.1 「別の顔」




約10年前。

まだ沖縄で活動していた
前里光秀研究所は、
4泊5日の泊りでのワークショップを
開催していました。

そこに参加したある女性に、
僕は釘付けになりました。

僕が生きてきた30年と少しの中で、
その人が一番、圧倒的に
きれいな人だったからです。




松永みやこさん。
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そして、初めての出会いから少ししたら、
この前里光秀グループに入社しました。

あっという間の出来事でした。
とても嬉しかったので、
僕は当時、こんな動画を作りました。

↓ ↓ ↓



そして僕はいつしか、
松永みやこ専属カメラマン!?
になっていました(笑)

動画やblogにみやこさんの顔を出すときは、
必ず僕が撮影をして、本人よりも、
僕が「これがいい!」と選んだ
「最高の松永みやこ」だけを
出してきました。

それくらい勝手にこだわってきました(笑)

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みやこさんが入社して間もない頃、
2人で2泊3日程度の
神戸出張に行きました。

その時の僕のミッションは、
新入社員であるみやこさんに、
会社の理念や思想、仕事に対する考え方
前里光秀グループの在り方を伝える!

というものでした。

要するに

『仲間になる』

その為のミッションでした。


当然それは簡単ではなく、
伝わったのかどうかわからないうちに
出張は終わりました。


ただ、その後、
そんなことを心配する
必要はありませんでした。

みやこさんは、誰よりも強い意志で、
会社を愛し、自分の責任で、
本当に一生懸命!
仕事をしました。

そんなに器用なタイプではないからこそ、
人一倍努力をしていたと思います。

いつのまにか、
株式会社 前里光秀おしゃれデザイン
というグループ会社のリーダーになり、
ヨガという、これまでグループにはなかった
新しい概念を確立させ、その象徴として、
会社をどんどん拡大していきました。



もう、おしゃれデザインの理念や思想は、
みやこさんそのものになっていたし、
『仲間になる』という僕のミッションは、
まったく必要がないくらい、
みやこさん自身が仲間を守りました。



そして、僕はある言葉を思い出していました。
何年も前に前里が言った言葉です。

「お前は未来に入社する女性に抜かれるよ」

気を抜かず、
今のうちに準備をしないと
必ず抜かれる。


僕は忘れていました。

それは、「松永みやこ」のことでした。


未来というのは、
知るだけでは変えることができないと、
その時に学びました。





そしてさらにあっという間に
10年近い月日が流れ、
2022年7月9日 20時過ぎ。

電車に乗る直前に、
電話が鳴りました。

前里からでした。


「今から緊急でみやこさんのヒーリングをする」
「みやこさんの自宅に急いで来るように」


具合が悪いのは知っていました。

でも「少しめまいがする」
と聞いているだけでした。


嫌な予感を抱えたまま、
僕は急いで向かいました。


そして、数日ぶりに会ったみやこさんは、
僕の知っているみやこさんでは
ありませんでした。


まさか
自称「松永みやこ専属カメラマン」
のこの僕が、こんな姿のみやこさんを
撮影することになるとは、
1ミリも予想していませんでした。








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・・・。




「ラムゼイハント症候群


初めて聞く病名でした。




みやこさんの顔の左半分は、
ハント症候群による顔面神経麻痺で、
動かなくなっていました。


左目は閉じることができずに
半開きで、白目で、ほうれい線も消え、
口角は垂れ下がり、数日前に会社で
普通に話していたみやこさんの顔は、
別の顔になっていました。

みやこさんは、
まともに歩くこともできず、
ろれつも回らず、
水を飲んでも
口の左側から垂れ流しました。


僕は、顔の左側を手で隠しながら、
力なくこちらを見るみやこさんを見て、

「思ったよりたいしたことないね」

という嘘の顔をして、
いつも通り笑いました。

そのあと、
一通り病気とその症状の
説明を聞きました。

病院では「重度の顔面麻痺
という診断だったこと。

そして、この病気が、
重度の顔面麻痺が、

「いかに治らないのか」

という説明を受けたこと。


明日にはもっと状態が悪くなる、
あさってにはもっともっと悪くなる
と言われたこと。

僕は淡々と聞きました。

同時に僕は、

人はこんなに突然
なんの前触れもなく
病気になって、

人の人生は
こんなにもあっけなく
どん底に落ちるのか…

と、愕然としていました。


そして、久しぶりに
33年前に癌で他界した
父親を思い出していました。

父親も、突然癌になり、
あっという間に、
46歳という若さで
この世を去りました。

小学生だった僕には、
理解する時間も
整理する時間もないまま、
一瞬のように
父親はいなくなりました。

「そうだ!病気はいつもこうだった」

いつも突然で、
いつも一瞬で、
人生のすべてを奪い去る。

夢や希望や笑顔を
一瞬で奪い去る。

だから、忘れてはいけない。

病気は、治すのではなく、
「病気にならないこと」
が何より大事で、
そのためにできることは、
なんでもやる必要がある。

それでも大切な誰かが
病気になったら
自分で治して、
自分で
守るべきだ。

そのためにヒーリングがある。
もう一度、ちゃんと、
本当に理解しよう。

そう思いながら同時に、
この「悲劇」を見るまで
こんな大切なことを忘れていた自分の
情けなさを感じていました。


さらに、

「これは治せるのか?」
「治すとしてもどのくらいかかるのか」
「みやこさんは仕事復帰できるのか」

目の前で実際に起きている現実と、
過去と未来を同時に見ている気分でした。



そしてしばらくしたら、
それらの思考を消すように
前里が僕に言いました。











「これを完全に治すよ」




つづく



     

vol.5 「催眠療法、涙」 

ヒーリング体験談 -ハント症候群との戦い-

vol.5 「催眠療法、涙」



勝負の10日間。

その間に前里が行ったことは
ヒーリング以外にもありました。

ただ、ある意味それも
ヒーリングだったと思います。



ヒーリングを始める前に
前里は、みやこさんに
目を閉じるように言いました。

そしてイメージするように言いました。
そのあとこう続けていきました。




今の自分の身体(顔)
ではないボディで鏡の前に
立ってみてください。

その鏡に映っている顔は、
麻痺が一切ない状態。

思った通り
自由に動かせる。

その顔をイメージの中で
自由に動かしてください。

触ったり、口角を上げたり
目を閉じたり開いたり
自分で動かしている感覚を
創りあげてください。

体の内側から感じて
鏡に映っている自分をみながら
重力を感じながら、
それを今の身体の中に
入れていきます。
そのイメージの身体ごと持ってきて
はめていきます。顔も・・・

ピターっと、
収納されていくように。

イメージの世界の身体と
リアルな身体が融合していきます。

手の平を開いたり閉じたり
足のエネルギーを感じたり
重力を感じたり
目を閉じたまま・・・

実際の顔は動かさずに
イメージの中で「あいうえお」
と発音してみてください
意識の中でです。



・・・


前里「意識の中で顔は動かせてる?」

松永「はい…」

前里「それではこのままヒーリングをします」


そしてヒーリングが始まりました。


僕はその様子をそばで見ていました。

みやこさんは、はじめに一瞬だけ
戸惑ったように見えましたが、
普段は逆に瞑想を誘導していますので、
スッとその世界に入っていきました。

サラっと書いていますが、
実はこれは高度な技術です。

ましてや、その時点で
「顔が動かない」という現実が
当然ですが強烈にみやこさんの
リアリティに定着しています。

普通の状態ではない状態だからこそ
強く定着しています。

そこから真逆のイメージの世界に
スッと入る技術は、
みやこさんがこれまで培ってきた
何十年も継続してきたプロのヨガ講師
としての訓練の成果でしかありません。
これが精神力の強さです。

スイッチが入ると
明らかにオーラが変わり、
みやこさんの心の奥の奥にある、
呼ばれたらすぐに出動する準備をして
待機をしている、強い松永みやこの目に
見えない身体から放つオーラでした。

やっぱり、ヨガはやる必要があると、
何年かぶりに感じた瞬間でした。
僕も、ヨガ頑張りますね。




さらに、
そのイメージする技術の高さは、

前里に、
「ダントツでチャネリング能力が高い」

と言われるみやこさんだからこそ

イメージというよりも、
周りを引き込む力は、
イメージより次元が上の
臨場感そのものでした。




みやこさんは、
まるでその世界に
酔いしれているかのようでした。


一瞬だけ感じましたが、
子どものように、遊んでいる
空気も漂っていました。






場面が変わります。





前里がみやこさんに言いました。

「今日から鏡を見ないように」

家にある鏡を、
今すぐすべて布で覆うように
そこにいたスタッフに指示しました。

前里は続けます。

みやこさんは、
鏡を見るたびに、
自分の心にそれを
インプットしている。

同時に傷ついている。
悲観し落ち込んでいる。


「それはもうしなくていい」


今日から顔のことは忘れる。
気にしない。


リハビリと撮影は美輪がやるから
みやこさんはとにかく自分の顔を
どんな状況であろうと見ないように。


期間は、1週間としましょう。
辛いかもしれませんが、これは
高度に深層心理の力学と、
ヒーリングの力学の融合を
加速させるためなので、
頑張って協力お願いしますね。

と、言いました。


そして

「確実に治るスピードは
上がるはずだから」


と、最後に付け足しました。





実はその時、みやこさんは、

「鏡を見ないように」

と言われた瞬間から

嬉しそうに
安堵感から出る綺麗な涙を
流していました。

やはり綺麗なオーラを
放ってました。

僕が熱烈ファン第1号なので
綺麗なみやこさんを見た嬉しさは、
誰よりもありますし、
僕まで感情が流れ込み、
泣きそうになりました。



みやこさんは、
誰に強制されたわけでもないのに
毎日毎日、動かない自分の顔を見て、
大きくゆがんでしまった顔を見て、
傷つき、苦しんでいました。

それが自然と習慣になってしまっていました。


ーーーーーーーーーーー

こんな毎日って
想像できますか・・・

想像してみてください。

ーーーーーーーーーーー





人は、今日という日を
楽しみに目覚め、
明日にワクワクしながら
眠りにつくべきです。

しかし、みやこさんにとっては

「夜はとてつもなく、気持ちが 
 圧迫される時間」

そう言わずとも
僕たちには、
伝わってきていました。


—---------------------------------
夜の静けさの中で
得体のしれない恐怖が突然襲ってきて
心が張り裂けそうになる。
—---------------------------------


そういう状態なんだな・・・
と僕は思いました。



そして、みやこさんは

気がついたら、眠ってた…
っていう夜は本当にホッとする・・・


そう言っていました。



目覚めたら、
ふらつきながら
鏡の前に行き
また動かない顔見て
傷つきながら、

「治らないのではないか」
「一生このままなのではないか」

そんな思考に支配される・・・
かもしれません。



その恐怖と不安に、心の半分は
押しつぶされていたと思います。





だからこそ、
「鏡を見なくていい」
という前里の言葉を聞いて
安堵感が出てしまったのでしょう。

前里が言葉をかければかけるほど、
みやこさんの表情、身体の硬直や
エネルギーの高ぶりのようなものが、
ゆっくりと穏やかになっていきました。



そして、みやこさんは
自分の胸に手を当てて


もちろん僕たちへの
最大限の、配慮として




「ハァ~なんか楽になった…」
「こんな感覚久しぶり…」

と穏やかに微笑みました。

左の口角は上がらなかったけど、
久しぶりに見る安堵の表情でした。


僕はそれを見ながら、
「みやこさん、気を張ってたんだな」
「よく頑張っているな」
「すごいな」
と心の中でつぶやきました。


また、気を遣いすぎなくて
いいよ。とも思いました。




そうしているうちに、
僕の目の前では
何かが壊れ、
新しい世界に入った。

そんな感覚になりました。



「これまで以上に治る」



そう感じた瞬間でした。







つづく

     

vol.4 「勝負の10日間、その結果」 


ヒーリング体験談 -ハント症候群との戦い-


vol.4 「勝負の10日間、その結果」



7月19日は、みやこさんの診察日でした。

前里はずっと、次回の診察で
どんな結果が出るのか。
どのくらい改善しているのか
が一つの基準になる。
とても重要だ、と話していました。

毎日のヒーリングは欠かさず行い、
特に前日には、

「明日の診察で主治医の先生にも
 ビックリしてもらいつつ喜んでもらおう!」

と、さらに気合を入れて
ヒーリングをしました。

そしてその結果…



(以下はみやこさんが実際に記録した内容)
—---------------------------------

7月19日

⭕️病院の結果
↓↓↓↓↓↓
・首筋が動く様になっている。
・口をプクッと膨らませるのができる
・目も改善している
・聴覚も改善
・前回は車の通る音が聞こえるくらい
 だったが高音も聞こえるようになっている。
・1レベル上がっているのでとてもいい兆し。
・目も黒目が上に上がるのでとても良い。
・角膜は下が少し傷ついているだけ。



今日はミツさんが病院へ付き添ってくれた。
病院へ行くと丸一日かかるので、
かなりの時間を使ってしまいました。

今回、お医者様の反応もかなり良く、
首筋まで動く様になっていました。
口もプクッと膨らませるのが
できる様になり、目も改善していて、
1番は失われた聴覚が
かなり戻っていたので
とてもビックリしました。
本当に嬉しく思いました。

前回の検査では目の前を
車が通る音が、聴こえるレベル
ぐらいだったが

今日の検査では『高音も』
聞こえるようになっていました。

1レベル上がっており、
とてもいい兆し、とお医者様も
言ってくれたので安心しました。


ハントの特徴として
必ず急速に悪化する期間に、
大きく改善しているので、
本当にヒーリングのパワーに
驚かされています。

ヒーリングは、分野によっては
医療と肩を並べるレベルにあると
この時に心から感動しました。

女性の私にとっては本当に本当に
有り難いなと。

本当に奇跡が起きている
のだと思います。

ミツさんのヒーリングのおかげで、
〇〇さんや勇気さんの協力も得られて、
本当に有難いです。

一生、償わなければと思いました。


また、今は1日でも早く完全完治して、
みんなに安心してもらいたいです。


それと今、ずっと車酔いを
している様な状態が続いており、
頭がグルグルしているので、
めまいを、呼吸で改善したい
と考えています。

一回、全力でカパラバティを
行いました。
2回ぐらい気を失いかけました。

そこまでやって、
全集中力を使って、
少しだけ真っ直ぐ歩けた時間が
5分ほどありました。

明日もまた、
それにチャレンジしてみます。

めまいを治して、
早めに仕事へ復帰できる様に
していきます。

—---------------------------------

この日のみやこさんの記録は以上です。
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「病気は、最終的には本人の力で治す。
 ヒーラーはその手伝いをするだけ。」


これは、前里がよくいう言葉です。

みやこさんは、あの状況の中でも、
ただヒーリングを受けるだけではなく、
自分の力も最大限に使おうと
していたんだな・・・と、
この記録を読んで思いました。


勝負の10日間の結果は
お読みいただいた通りです。

「日に日に悪くなるのが
 この病気だから」

と言っていた主治医の先生が、
驚く結果となりました。

単純に、麻痺も聴力も
その他の症状も諸々
改善していたからです。

この結果を聞いて、
正直、一度は安心しました。

それはしてはいけないことです。
当然、まだ始まったばかりですから。
これからが本当の勝負です。

でも、勝負の10日間の中で、
あることが起きた後だったこともあり
少し安心してしまいました・・・



実は、ヒーリングを始めてから
最初の数日は、
もどかしいながらも改善が
「感じられました」

良くなる傾向を感じたし、
一部良くなった部分もありました。

そして何より、

「悪くはなりませんでした」

これが唯一の救いでした。


しかし・・・


勝負の10日間が始まり
1週間ほどしたとき、
明らかに違う変化が起きました。


「改善スピードが、10分の1ぐらいまで
 落ち、壁にぶつかる現象が出てきました」


これまでの流れ的にも
ヒーリング効果が車が
加速するかのようだったのが、
まるで車から徒歩になったかのように
急速に加速が、なくなっていきました。

その日の昼の時点で
「良い流れ」だったはずが
夜になって確認をすると、
「もどかしいほどの停滞の流れ」
に入っていました。


昼間は動いたはず目が
あまり動かない。閉じない・・・


最初は気のせいだと思いました。
でも、その場にいる誰もが、
「これはごまかせない」
というくらいに、
目は閉じませんでした。

そして、みやこさんのエネルギーも
低下しているように感じました。


僕は、自分が携わっている
このヒーリングが、
いかに難易度が高いのかを
あらためて痛感していました。

冷静に考えれば
僕の考えが甘かったんです。


「治らないことはない」

と妄信していたあの時点で、
まだこの病気を甘く見ていた
ことになります。


それはそうです。

主治医の先生は
『どんどん悪くなる』
と言っているわけですから。

西洋医学が世界中から集めた治療データを
分析した結果、今の地球の医学ではこれは
悪くなる。が、疑いの余地の無いほどに
明らかですと、いう意味ですからね。

医学が簡単には、治せない相手との
素手で行う現代のヒーリング技術を挟んだ
睨み合いは続きました。


その後から
再度集中を上げていくなかで
ラストスパートに
入っていきました。


そして、あの結果を
聞くことができました。

結果としては良かったです。


でもこれはあくまでも
「勝負の10日間」
の結果であり、
本当の勝負はここから。

どんどん悪くなるのを
何とか食い止める!
それどころか改善させてやる!

という気合で行った
10日間のヒーリングでしたが、
今度は、「完全完治」
がゴールです。


それがいつになるのか、
どのくらいのスピードで改善するのか、
全く見当もつきませんでした。



しかし

『最後の砦となる、松永みやこの精神力
 が、この後大きく稼働していくことに
 なります。』

人は、やはり無限の知恵が
どこかには備わっていると感じる日々が
続きました。










つづく
     

vol.3 「ホワイトベルト帯から来た存在」 

ヒーリング体験談 -ハント症候群との闘い-

vol.3 「ホワイトベルト帯から来た存在」


勝負の10日間が始まってすぐに、
記録のための撮影も開始しました。

その時は、このように
blogで公開する意図はなく、
ただ、昨日よりも今日、
どれだけ改善しているかを
明確に知ることが目的でした。

ただ実は、vol.1で公開した画像は、
ヒーリングが始まって
数日が経ってからのものです。

もっと言うと、僕が
「その状態のみやこさん」
に初めて会ったのは、
すでに前里のヒーリングを
数回受けたあとでした。

僕が会った7月9日のみやこさんは、
嘔吐がない、起きて座れる、
それだけでも、
その部分に関しては、
少し回復している状態でした。

それでも、翌日からの
入院準備をしていました。

病院に行ってあらためて診察、
そのまま入院。

その予定で、前里と
もう一人スタッフが付き添い、
病院へ行きました。

が・・・

数時間後に
前里から連絡がありました。

「入院はやめさせた」

やっぱり、自宅にいてもらって、
毎日ヒーリングをしよう。

そういう内容でした。


理由はシンプルです。
主治医がこう言ったそうです。

「入院するから良くなるわけではない」
「点滴を打つから良くなるわけじゃない」

「むしろこの10日間は日に日に悪くなる」


・・・。


そして当然、
コロナの影響で面会はできない。

入院したら僕らは、
みやこさんに会うことができない。

「デメリットしかない」

だから、前里の判断で、
入院しないことになりました。

病院を批判するつもりは
全くありません。
本当にありません。

しかし、ヒーリングという希望がない方が
この病気になったと考えて、
みやこさんと同じ対応になったら・・・

精神的に耐えられるのか?

いくら事実だとしても、

良くはならない
むしろ悪くなる
重度の麻痺は完全には治らない


こんな冷酷な事実を、
最後の砦だったはずの
助けてくれると思っていた
病院の医師に言われたら・・・

僕だったら耐えられません。


こうして、本格的に
対面によるヒーリングが
始まりました。


1日に2回。
昼と夜に、僕は毎日
みやこさんの自宅に行きました。

前里は最初の3日間は
他の業務をキャンセルし、
ほとんどの時間で
みやこさんのヒーリングをしました。

とにかく勝負の10日間。
さらにその入口の3日間。

「確実に悪化する」
と言われている流れを、
必ず変える!

この一心でヒーリングをしました。


そして、確か3日目でした。

僕はとにかく炎症部分からの
「熱」を抜くヒーリングをひたすら
やりました。

その日、前里は
脳から神経へアプローチする方法で
ヒーリングを行っていました。

この日に僕はまた
これまでに経験したことのない
体験をしました。


僕はみやこさんの左に座り
左耳を中心にデトックスをしていました。

ある瞬間に、
熱を抜くヒーリングでは
間に合わない
と気づきました。

両手を左耳に近づけると
僕の両掌の中心に、
ウイルスであろうエネルギーの粒が
どんどん吸着されるように
集まってきました。

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僕の手が掃除機となって、
視覚的には白っぽい光に見える
その「粒」が、みやこさんの
頭部左側内部から、
どんどん吸い出されてきます。

そして塊は大きくなっていく。

そのスピードがどんどん上がっていき
勢いを増していき、
僕は正直、恐怖心が出ました。

ただ、とてつもない「手ごたえ」
を感じていたので、
一切引きませんでした。

「限界ギリギリまで吸い出してやる!」

と思って、さらに力を増幅させました。

すると・・・


「ドカン!」

というものすごい音と、
衝撃波のような、
爆発のような勢いで、
これまでにない
大きな塊が、僕の手の平の前に
一気にぶつかってきました。

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あまりの衝撃に驚きましたが、
確かな手ごたえを感じました。

なぜなら、そのあとから
急速にその「粒」の数が減り、
最後には力を失っていたからです。


僕はへとへとでした。
同時に達成感もありました。
でもまだ終わりではありません。

前里が突然言いました。

「これは…みやこさんの
バージョンアップなのかな?」

もしかしたら俺らは、
バージョンアップのために
このヒーリングを
やらされているかもしれない。

と言いました。


「どういうことですか?」


と聞くと前里は、

今、みやこさんの関係者の
宇宙人がきている。

「ホワイトベルト帯」
というところから来たらしい。

とにかく真っ白な存在。

その宇宙人が、
ヒーリングを代わるように
言っている。

だからお前は、その宇宙人に
ヒーリングをバトンタッチして、
コーザル体のヒーリングをしてほしい。


そう言われた瞬間、
僕は宇宙船の中にいました。

10メートルくらい離れた手術台?
のようなところに、
みやこさんは横になっていました。

その周りには、
確か6人の存在がいました。
種類は2種類でした。
単純に見た目が違いました。

そして、すでに「何か」が
始まっていたので、

「もうバトンタッチが完了したんだ」

と思い、そのままコーザル体の
ヒーリングに入りました。

僕は「身体で」立ち上がり、
コーザル体の場所に手をかざしました。

前里が言いました。

みやこさんのこの病気は、
コーザル体の記憶でもある。

そこをヒーリングしてほしい。

「コーザル体にねじれている部分は視えるか?」

そう聞かれた僕は、
すぐにその部分が自分の目の前に
あることに気づきました。

そのねじれのイメージはこうです。

ピンと張った薄いシーツを
指でつまんでねじると、
渦巻き状の「ねじれ」になりますよね?

そのねじれが、
みやこさんのコーザル体にありました。


僕は両手の手の平をできるだけ広げ、
ねじれの両端におき、
ねじれと逆方向に回転を加えました。

すると、コーザル体のねじれは
ピンと張り、シワもなくなりました。

「あれ?一瞬で終わったな・・・」

と思った瞬間に前里が、

「速いな!」
と驚いたように言いました。

僕も自分で驚いていました。


そして、ヒーリングは一旦終了。

「ホワイトベルト帯の存在」
が気になっていた僕は、
それについてすぐに聞きました。


詳しくは分からないが、
みやこさんの関係者であることは
間違いない。

光った二つのリングが
絡み合いながら回転している惑星に
住んでいるらしい。

light-944638_1280.jpg


地球のように球体ではなく
細いリングが2つ回転している惑星・・・
イメージできますか?


前里は
「どうやって住んでいるんだろう?」
「地面はどうなっているのかな?」


たしかそのようなことを
言っていました。


僕にとっては、
初めての体験だらけでした。




そして、ヒーリング後
みやこさんの状態をチェックします。

麻痺の状態がどうなっているか、
実際に顔を動かして確認をします。


その日から僕は、
みやこさんの表情筋リハビリ担当
になりました。


その様子を動画でご覧ください。

これは、
ヒーリングを開始して
5日前後の映像です。

「麻痺で顔が動かない」

ということは
頭では理解できるのですが、

「こんなにも動かないのか!」

という思いが強かったです。
正直なところ、
ここまでヒーリングをやれば
もう少し分かりやすく改善するのでは?
という淡い期待がありました。

しかし、現実は

「動きそうな感じがしてきた!」
「1ミリ動いたかも?」

という毎日。

動いてなくても
動いているように見えるくらい
動くことを願いました。


例えば、映像の口元の動きは、
見ても分かるように
右の筋肉に引っ張られているだけで、
左単独では動かないんです。
1ミリも、0.1ミリも動かないんです。

目も確かに何とかゆっくり
閉じていますが、
あれは、みやこさんがまさに「全集中!」
をして、何度も何度も練習して
やっとあの動きなんです。

普通にしている時は、
まばたきも右目だけで、
左目は開きっぱなし。

「目が閉じてないですよ」

と、僕は何度も伝える日々でした。

角膜が傷つくので、
病院では特別な目薬が
処方されていました。


みやこさん自身、
画像や映像を出すのは
とても勇気のいることですので、
編集で目の部分を
画面から外していますが、
口のリハビリの時は、
目に意識がいかないので、
ずっと開いたままでした。

この動画だけで
どれだけ伝わるか
分かりませんが、
ハント症候群という病気は、
顔面麻痺というのは、
本当に本当に難しい・・・
毎日そう思っていました。











つづく


     

vol.2 「勝負の10日間が始まる」 -- 

ヒーリング体験談 -ハント症候群との戦い-

【ラムゼイハント症候群とは?】
顔が動かなくなる顔面神経麻痺に難聴、
めまい、耳鳴り、外耳炎を合併した疾患です。


【参考サイト】

https://medicalnote.jp/diseases/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%88%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4





vol.2 「勝負の10日間が始まる」




前里「これを完全に治すよ」





美輪「わかりました。もちろんです」




前里の言葉をきっかけに、
モードが切り替わりました。

これには、みやこさんに対する
「決意表明」の意図もありました。






21時を過ぎていたと思います。

前里は朝からすでに
3回ヒーリングをしていました。

体力的にも
ギリギリだったと思います。

めずらしく、
疲れているように見えました。


そして、2人で役割を分担して
ヒーリングが始まりました。

始める前に、どこの部位に
何が起きているのかを、
ネットで調べました。

画像などを見てイメージしやすく
するためです。

できる限りの情報を集め、
その上で前里がチャネリング。

そして、ヒーリングの方法を
決めていきます。

結果、前里は、全身の調整と、
神経を中心にヒーリングをすることに。


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一番の問題は、
「顔の左側が動かないこと」
でした。

それを動かすためのヒーリングです。
前里はオールマイティでありながら、
神経系のヒーリングを得意としています。

そして麻痺の根本的な原因は、
ウイルスによる炎症。
左耳の中です。

炎症が原因で顔面神経を圧迫し、
神経のへの血流が滞る・・・など
の理由で麻痺。

そこで僕は、「熱を抜く」
デトックスのヒーリングを
中心に行います。

これは炎症をおさえる、
取り除くためです。

僕は、痛みをとるヒーリングを
得意としています。

「炎症をおさえる」と「痛みをとる」
は同じ方法で行います。

まずは、

第5チャクラ
第6チャクラ
第7チャクラ

を担当し、状態を確認。

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手をかざしたら、、
「ものすごく状態が悪い」
ことが一瞬でわかりました。

特に第5と第6チャクラは
ひどい状態。

熱せられた鉄の棒が
チャクラから突き出ている感覚で、
僕の手の平は、
熱を超えて、突き刺されるような
痛みを感じていました。

これまで、末期癌の方の腫瘍に
手をかざしたことが何度もありますが、
僕の経験としては、ここまで強烈に感じた
「状態の悪さ」はなかったです。

病気の勢いが、

「ピークに向かって
駆け上がっている」

と感じました。


それに、
思わず手を引いたほどでした。

「これは手強いな」

と思いながら、
まずはこの熱い鉄の塊を
抜く作業に入りました。


しかしそこで
思わぬことが起きます。

ヒーリングを始めて数分。
第5チャクラにアプローチを
しているときでした。

仰向けになっているみやこさん。

その喉の上(第5チャクラ)
に手をかざしていると、
急に「ガクンッ」と
鉄の塊がなくなりました!

リアルに物理感のある「鉄の塊」
を「触っていた」僕は、
思わず「おっ!」と、
声を上げました。

前里にその状況を説明すると

「反応がいいね!その調子でいこう」

と言いました。

ただ、やはり
手強いことに変わりはなく、
抜いても抜いても、
手の平に感じる「熱」が消えず、
次から次へと噴出してきました。

そして、一番の原因である
左耳に手をかざすと、
とんでもなく熱い鉄の棒が、
左耳から1メートルくらいの場所まで
伸びていて驚きました。

その長さというか、距離感というか
それが「いかに炎症の状態が悪いのか」
を示していました。

アプローチする箇所が
多すぎるため、
まずは左耳のみに
集中することにしました。

「熱い鉄の棒」
は何度取り除いても
瞬時に戻ってきました。

こうなったら、
なくなるまでやり続けるだけです。

繰り返していく中で、
その硬い物理感が、
少しずつ個体では
なくなっていきます。

熱い気体に代わっていき、
その長さが短くなっていきました。

みやこさんは、耳鳴りと、
耳の奥の鈍い痛みを
感じていたそうです。

不思議なことに、
ヒーリングを開始すると、
必ず痛みが出ました。

好転反応なのか、
ウイルスの抵抗なのか、
とにかく、
「ヒーリングに反応している」
ことだけは確かでした。




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ハント症候群は、
発症してから10日間は
日に日に状態が悪くなる。
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病院で伝えられたこの情報は、
ヒーリングを行う僕らにとって
一つの基準になる良い情報でした。

医学的には10日かけて

「どんどん悪くなる」

のであれば、
この間に少しでも

「良くなる」

ということは、
明らかなヒーリングの効果です。

それは、完全完治を目指す僕らには
希望の光です。

「勝負の10日間」

まずはここに
全エネルギーを集中させる。

この10日間を逃したら、
完全完治はないかもしれない。

この10日間で、
みやこさんの人生が
どの方向に向かうかが決まる。

一生、顔面麻痺と
付き合っていくのか。

元の状態に戻るのか。

前者だった場合、
仕事を続けていくのは不可能。

みやこさんは、
「家族にも会えない」
「この顔を見せられない」
と言いました。


でも、嘆いている時間は
1秒たりともありません。


「必ず治す」

みやこさん自身も
そういう覚悟でした。

目の奥にそれがありました。

しかし、頭を動かすだけで
嘔吐してしまう状態が数日続き、
当然食事も摂れていないため、
みやこさんはあきらかに
衰弱していました。

実は、
みやこさんはその日までに
すでに一度、救急車で
緊急搬送されていました。

あまりにも状態が悪く、
自分で歩くこともできず、
病院に行くことも
できない状態だったからです。


三半規管に影響が出るため

「前後左右上下が分からなくなる」

「景色がずっとぐるぐる回っている」

「天井と床がわからない、逆になっている」

と言っていました。


あの時点で、
みやこさんの覚悟と身体は
真逆を向いていたと思います。


その精神的な負荷は、
いくら想像しても
理解することはできません。


病気は、なった本人しか
体験できません。


ヒーラーがやるべきことは
相手を理解することではなく、
治すことです。


人一人の人生が
かざすその手にかかっている。



こうして、勝負の10日間が
始まりました。






つづく