研究生 東京レポート⑩ 

講義翌日はオフィスにて個人顧問の現場に立会いました。

クライアントの方の状態がまだ「硬い」ということで、
まずは皆でオーラに触れるセッションをやりました。


ワークショップなどではお馴染みのこのオーラに触れるセッションには、
実は状態をやわらかくする意味合いがあります。

オーラに触れて、感じて、
自分が「肉体という限界」にとらわれない意識の存在であること
を認識することが、状態をゆるめることにつながるのです。



僕がワークショップに参加したときは、ただただ好奇心でやって、
オーラに触れたり感じたりすることができるんだな
と驚いたり喜んだりしていたこのセッションに、
そういうロジックがあったというのをこのときはじめて認識しました。

確かに本で「あなたは意識体の存在である」と知識を入れたところで、
何も触れたり感じたりすることがなければ、
認識として入れることは難しいなと、
このシンプルなセッションの重要性に感心しました。


クライアントの方は急な展開に少し戸惑っていましたが、
このセッションをやる前と後とでは
物事の見方・とらえ方が変わっているはずです。



そしてオーラのセッションの後は、
舞踊のようにゆっくりなめらかに、
波打つような感じで手や腕を動かすストレッチをしました。

指先から肩までの「すべての関節を動かすような感覚で」
とミツさんがお手本を見せて、皆でその動きを真似しました。


あり方が硬い人は体も硬いそうです。


人間の心と体はコインの裏と表で、心はやわらかいけど体は硬い
ということはあまりないのかもしれません。

逆にいえば、体をほぐしてやわらかくすれば、
自然と心・あり方もやわらかくなるということです。

そして硬い状態では情報を受け取ることができません。


木のように硬いと、変化のプロセスを歩むときに
いろいろなところにぶつかりながら進んでいくことになります。

変化のプロセスをスムーズに促すには
水のようにやわらかくなる必要があります。


また、同じ硬い状態であっても
氷であればいずれ水に溶けますが、
木の状態だと水と交わることなくずっと浮いたままの状態です。

なので少しずつ少しずつ、日々のストレッチや運動などで
体・状態をやわらかくしていくことは
とても重要なことだと思いました。


またオーラのセッションのときに、僕は
自分がオーラを触る側のときは、
手で相手のオーラを感じることができるのですが、
自分が触られているときは、
その感じ方が鈍感ということを自覚していて、
特に深呼吸をしたりして肩の力を抜くように心がけていました。

すると一真さんが驚いたような顔で、
僕の「オーラが触れない」と言い出しました。

僕が肩の力を抜こうと意識しすぎるあまり、気もゆるめすぎてしまって、
部屋の中央に居るにも関わらず自分の存在感を消してしまっていたのです。


体の力を抜いた状態で集中して気を張るという、
この肉体と意識のバランスをとるということが、
なかなか難しいものだなと感じました。

そして、それがわかりやすいなら
最初は気を張るときに肩に力が入っても良いとのことでした。



その日はオーラのセッションやストレッチを中心に
カウンセリングが終わり、3人で外出して移動しているときに、
一真さんが「ああいうやり方もあるんですね」とミツさんに聞きます。

「うん、相手は潜在意識だからね」とミツさん。



潜在意識は急激な変化を嫌い、少しづつの変化が元に戻りにくい
という性質があります。

カウンセリングではクライアントの方と対面しますが、
見ているところは常に相手の潜在意識。


「相手も自然と変わっていって、
 こちら潜在意識に働きかけていることには気づかない」


講義での「日本の集合意識に抵抗しないようにしていやる」
という言葉を思いだし、カウンセラーの仕事とは、
まるで戦国時代に暗躍した忍者のようだ、と僕は目を細めました。









前里光秀研究所  研究生 比嘉公彦
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