「前里光秀大学 別科」で見た光景③ 

「下」であるBさんがAさんの目線まで上がってきたとき、
Aさんは例えばこう思うようになります。

「なんだろう、この違和感…」

もちろんBさんと仲が悪くなるわけではありませんが、
何とも言えない空虚感がAさんを襲うようになってきます。

みなさんは、このときAさんが感じている違和感が
なにか分かりますか。





Aさんが感じている違和感とは
深層意識が理解できない不可解な事実。

つまり、「下」とみてかわいがってきたBさんとは
ある余裕のなかで付き合いを続けてきて、
そういう余裕は「この上下関係を侵食することはない」
という思いから生まれてきていました。

でも気づくと、対等。

敏感な人はその「余裕」の分量が増えているか減っているか
途中で気づくこともあると思いますが、
それは目に見えない部分での話なので
ほとんどは「気づかぬうちに」ということが起こります。

「なぜ、急に目の前にいるんだ…」

「下」から「対等」まで上がってきたBさん、
Aさんにはある意味で言えば「不思議な人」として映り、
もう少しするとこう思うようになります。

これが、ひとつの最終局面。



それが

「この人には、勝てない…」



余裕のあったAさんは、脆くもそう感じてしまう。






Aさんがこの状況をそこまで重く感じるには
次のような理由があります。



繰り返しますが、AさんにとってBさんは「下」です。

「下」ということは、AさんはBさんを包括している状況があって
常にそのエリアの中での余裕をもって楽しみを見出す、
そういう付き合い方をしていました。

Aさんは別に人を見下す人ではありませんが、
「下」という理解の深層には、そういう思いがあります。

しかし実はBさんからしてみると、
Aさんに包括されてはいたものの、
その精神にも気づかれないような「ひっそりとした意識」で
エリア内での経験値を積み重ね、
そのエリア内を探検するようにワクワクしながら
「ある時期」を待っていたのです。

それが、「Aさんを抜く」瞬間。

不覚を取られたAさん、気づいたときには
エリア内のすべてをBさんに分かられてしまったわけで、
次のシーンではBさんに包括されるような状態にまでなっていきます。

そのときの「ひっそりとした意識」こそが、
「気が長い」ということ。

Aさんが感じた「勝てない」は、
まさにBさんが包括する動きをとってきた「歳月」に値する
「気の長さ」を感じてのことなんですね。

ここについては、次回書きますが。






この瞬間に水面下で交わされていた2人の勝負は終わり、
次の瞬間BさんはAさんを風のように抜き去り、
その後ろ姿は新しい「上」を探していくかのようにも見えました。









前里光秀研究所 和田一真
関連記事