vol.5 「催眠療法、涙」 

ヒーリング体験談 -ハント症候群との戦い-

vol.5 「催眠療法、涙」



勝負の10日間。

その間に前里が行ったことは
ヒーリング以外にもありました。

ただ、ある意味それも
ヒーリングだったと思います。



ヒーリングを始める前に
前里は、みやこさんに
目を閉じるように言いました。

そしてイメージするように言いました。
そのあとこう続けていきました。




今の自分の身体(顔)
ではないボディで鏡の前に
立ってみてください。

その鏡に映っている顔は、
麻痺が一切ない状態。

思った通り
自由に動かせる。

その顔をイメージの中で
自由に動かしてください。

触ったり、口角を上げたり
目を閉じたり開いたり
自分で動かしている感覚を
創りあげてください。

体の内側から感じて
鏡に映っている自分をみながら
重力を感じながら、
それを今の身体の中に
入れていきます。
そのイメージの身体ごと持ってきて
はめていきます。顔も・・・

ピターっと、
収納されていくように。

イメージの世界の身体と
リアルな身体が融合していきます。

手の平を開いたり閉じたり
足のエネルギーを感じたり
重力を感じたり
目を閉じたまま・・・

実際の顔は動かさずに
イメージの中で「あいうえお」
と発音してみてください
意識の中でです。



・・・


前里「意識の中で顔は動かせてる?」

松永「はい…」

前里「それではこのままヒーリングをします」


そしてヒーリングが始まりました。


僕はその様子をそばで見ていました。

みやこさんは、はじめに一瞬だけ
戸惑ったように見えましたが、
普段は逆に瞑想を誘導していますので、
スッとその世界に入っていきました。

サラっと書いていますが、
実はこれは高度な技術です。

ましてや、その時点で
「顔が動かない」という現実が
当然ですが強烈にみやこさんの
リアリティに定着しています。

普通の状態ではない状態だからこそ
強く定着しています。

そこから真逆のイメージの世界に
スッと入る技術は、
みやこさんがこれまで培ってきた
何十年も継続してきたプロのヨガ講師
としての訓練の成果でしかありません。
これが精神力の強さです。

スイッチが入ると
明らかにオーラが変わり、
みやこさんの心の奥の奥にある、
呼ばれたらすぐに出動する準備をして
待機をしている、強い松永みやこの目に
見えない身体から放つオーラでした。

やっぱり、ヨガはやる必要があると、
何年かぶりに感じた瞬間でした。
僕も、ヨガ頑張りますね。




さらに、
そのイメージする技術の高さは、

前里に、
「ダントツでチャネリング能力が高い」

と言われるみやこさんだからこそ

イメージというよりも、
周りを引き込む力は、
イメージより次元が上の
臨場感そのものでした。




みやこさんは、
まるでその世界に
酔いしれているかのようでした。


一瞬だけ感じましたが、
子どものように、遊んでいる
空気も漂っていました。






場面が変わります。





前里がみやこさんに言いました。

「今日から鏡を見ないように」

家にある鏡を、
今すぐすべて布で覆うように
そこにいたスタッフに指示しました。

前里は続けます。

みやこさんは、
鏡を見るたびに、
自分の心にそれを
インプットしている。

同時に傷ついている。
悲観し落ち込んでいる。


「それはもうしなくていい」


今日から顔のことは忘れる。
気にしない。


リハビリと撮影は美輪がやるから
みやこさんはとにかく自分の顔を
どんな状況であろうと見ないように。


期間は、1週間としましょう。
辛いかもしれませんが、これは
高度に深層心理の力学と、
ヒーリングの力学の融合を
加速させるためなので、
頑張って協力お願いしますね。

と、言いました。


そして

「確実に治るスピードは
上がるはずだから」


と、最後に付け足しました。





実はその時、みやこさんは、

「鏡を見ないように」

と言われた瞬間から

嬉しそうに
安堵感から出る綺麗な涙を
流していました。

やはり綺麗なオーラを
放ってました。

僕が熱烈ファン第1号なので
綺麗なみやこさんを見た嬉しさは、
誰よりもありますし、
僕まで感情が流れ込み、
泣きそうになりました。



みやこさんは、
誰に強制されたわけでもないのに
毎日毎日、動かない自分の顔を見て、
大きくゆがんでしまった顔を見て、
傷つき、苦しんでいました。

それが自然と習慣になってしまっていました。


ーーーーーーーーーーー

こんな毎日って
想像できますか・・・

想像してみてください。

ーーーーーーーーーーー





人は、今日という日を
楽しみに目覚め、
明日にワクワクしながら
眠りにつくべきです。

しかし、みやこさんにとっては

「夜はとてつもなく、気持ちが 
 圧迫される時間」

そう言わずとも
僕たちには、
伝わってきていました。


—---------------------------------
夜の静けさの中で
得体のしれない恐怖が突然襲ってきて
心が張り裂けそうになる。
—---------------------------------


そういう状態なんだな・・・
と僕は思いました。



そして、みやこさんは

気がついたら、眠ってた…
っていう夜は本当にホッとする・・・


そう言っていました。



目覚めたら、
ふらつきながら
鏡の前に行き
また動かない顔見て
傷つきながら、

「治らないのではないか」
「一生このままなのではないか」

そんな思考に支配される・・・
かもしれません。



その恐怖と不安に、心の半分は
押しつぶされていたと思います。





だからこそ、
「鏡を見なくていい」
という前里の言葉を聞いて
安堵感が出てしまったのでしょう。

前里が言葉をかければかけるほど、
みやこさんの表情、身体の硬直や
エネルギーの高ぶりのようなものが、
ゆっくりと穏やかになっていきました。



そして、みやこさんは
自分の胸に手を当てて


もちろん僕たちへの
最大限の、配慮として




「ハァ~なんか楽になった…」
「こんな感覚久しぶり…」

と穏やかに微笑みました。

左の口角は上がらなかったけど、
久しぶりに見る安堵の表情でした。


僕はそれを見ながら、
「みやこさん、気を張ってたんだな」
「よく頑張っているな」
「すごいな」
と心の中でつぶやきました。


また、気を遣いすぎなくて
いいよ。とも思いました。




そうしているうちに、
僕の目の前では
何かが壊れ、
新しい世界に入った。

そんな感覚になりました。



「これまで以上に治る」



そう感じた瞬間でした。







つづく

関連記事