4.押入れから出てきた夢の現実 【 和田一真の告白 】 

繰り返される思考は、決して思考力を育てませんでした。思考は、顔。私は人からは可愛がられ、そして後には笑われました。

実際に、ある意味では非常に純粋でした。それは夢にまで滲み出ていました。私が寝て見る夢はいつも現実でした。

現実と何も変わらないリアルと意図がありました。明晰夢です。夢は目を閉じているときの現実。本気でそう思っていました。

ふと夢に辿り着くと、いつも私は「夢に来た」と分かりました。ハッと夢の人生がはじまるのです。

夢の世界を学習し、夢は何でもできると覚えた私。私は、いつも夢を駆け巡りました。時には走り、時には飛び、そしてだいたいは眩しく光る景色や街を歩いたものでした。

そこに、母親はいませんでした。夢は私が堂々と生きられる現実でした。理由は、「夢」だからです。

しかし、夢であることを忘れる瞬間がありました。いつもそれは夢の真ん中あたり。夢のはじまりも終わりも夢だという意識はありました。しかし何かに夢中になることで、まさに夢の中でした。

あるとき、夢の中にある家で遊んでいました。ほとんど、現実の自宅と同じつくりです。そのとき、少し夢の明るさが暗く、不穏な空気感を感じました。

妙に存在感のある家の押入れがずっと夢の視界の横にありました。私は、夢が深くなるにつれ、その押入れが気になりはじめました。

そして興味本位で押入れを開けようとした途端、それは出てきました。

押し入れの中から、悪魔が出てきたのです。それは、CMで見たマクドナルドのキャラクターでした。

するとその後ろから、いわゆる魑魅魍魎があふれ出てきました。まだ出るまだ出る…4次元ポケットのような恐怖の押入れは、私に容赦しませんでした。そして、追いかけられました。
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