⑧知覚の拡大と信念の崩壊
3日目の夕食が終わり、ブリーフィングルームでは
セッションのシェアから始まりました。
僕はいつも大した経験ができていなかったので
シェアはほとんどしたことがありません。
しかしこの時はみんながシェアを期待している
雰囲気が分かったので、
夕食前にあった出来事をシェアすることになりました。
最初はミツさんに「今回も何も見えなかった」とシェアしていたこと、
その後思い出して「ビジョンを見た気がする」と言ったこと、
「あれ?ビジョンが動いている」と思ったこと、
「脳をいじった」と聞いたこと、
そしてとにかく驚いたこと。
そしてその後の話になってくると、
また涙が溢れ出してきてしまいました。
藁をもすがる思いでカウンセリングをしてもらって、
いろいろアドバイスをしてくれて、
何も言わずに陰で必死に動いてくれて、
いつも人のことしか考えていなくて、
本当に愛がある人で、
すごく嬉しくて、感謝の気持ちでいっぱいで…
というようなことを涙と鼻水を垂らしながら話しました。
トレーナーのカレンが
ニコニコ聞いていてくれたのを憶えています。
僕のシェアが終わるとみんなが
温かい拍手をしてくれました。
その後、坂本さんが「ミツさんは一体何をしたの?」
と話を振りました。
するとソファーに座っていたミツさんが
いつものように落ち着いた語り口で話し始めました。
それによると、ミツさんは僕が
「ビジョンが見えない」と言った時から
「何とかしてあげたい」と思っていたそうです。
そして僕の見えない理由、
例えば意識が外に向いていること、
鼻や喉に注意が向いてしまっていること、
体感が強くて集中できていないこと
などを挙げました。
この辺りからカレンも真剣な顔でミ
ツさんを見ながら通訳に耳を傾けていました。
その後、話はセッションでの出来事に移っていきました。
セッションが始まると
僕のガイドの警察官とダンサーがミツさんの横で
すでにスタンバイしていました。
そして最後に巫女さんが来たので
「この人は誰だろう」と思ったそうです。
そして警察官を先頭にしてミツさんたちが
僕の体に向かい、その途中でだんだん小さくなっていき、
ミクロになって鼻の左穴から体内に入りました。
その移動中は一切会話がなく、
ガイドから独特の緊張感が伝わってきたのだそうです。
そこから右に方向転換をして
右脳と頭蓋骨の間のスペースに立ちました。
そしてコンコンと"ある場所"を叩きました。
その場所こそがビジョンを見る時
活性化されるべき場所なのです。
そこに精密な周波数計を取り付け、
波動の微調整を自在にできるようにしました。
その後僕が普段どんな状態でヘミシンクを聞いているか
を調べるために僕に重なりました。
すると体感が強く集中できていないのが分かったので、
そのエネルギーを磁石のようにして掴んで
何度も脳に上げました。
そして額のチャクラをコルクで開けると
ドロドロした液体が出てきたので取り除き、
ミツさんから出ている光を当てました。
そして巫女さんが用意した大量の写真を、
僕の額に向けて送り続けました。
それを僕が「見た」と言ったのです。
他にもミツさんはたくさんのことをしたそうです。
僕の「見えない」という思考を
エネルギー変換ボックスに入れたり
(3回も蓋から出てきたので、3回入れたそうです)、
体に蛇を入れて悪いものを食べさせたり、
ミツさんのビジョンを見ている時の波動を
ロウソクに転写して僕に移したり…
たくさんのことをしてくれました。
しかしこれはあくまで
「一番原始的なやり方」だそうです。
ミツさんがこのシェアをしている時、
実はまた泣きっぱなしでした。
そして部屋に戻る時に
仲の良い人たちがハグをしてくれました。
その日の最後のセッションは
『スペシャルマイプレイス』でした。
フォーカス27に自分だけの場所を造ります。
セッションを開始しようとヘッドフォンを着けたら
まだ開始前のメタミュージックが流れていましたが、
そこでビジョンが始まりました。
…岩場のある海にたくさんの人が
上半身まで海に浸かってこちらを見ている。
100人くらいいそうだ。
肌が黒いのか、影がかかっているのか、
見せないようにしているのか、誰なのかよく見えない。
髪は長い。男だ。ポリネシア?
頭に「ポリネシア」と入ってきた時、
自分でビジョンを遮断してしまいました。
坂本さんの本に書いてあった過去世とよく似ていたので、
「そんなはずはない」と思ったのです。
ビジョンは2~3秒でパッパッと変わりましたが、
どれも同じような場所でした。
アングルが違ったり、横にスクロールしていたり。
他にフォーカス23で古びた建物が見えました。
しかし目を凝らして見ようとするとすぐに消えてしまいました。
セッションが終わってからミツさんにシェアをすると、
海のビジョンは「ガイドたちなんじゃないですか?」、
そして「メタミュージックみたいにエネルギーが低いところで
ビジョンを見るなんて凄いことですよ。
まだ疑いが強いから消えちゃうんですよ」
と言われました。
そして何となくノートの前のページを見ると、
そこには午前中に書き出した「信念」がありました。
それを見た時一瞬「あれ?」と思いました。
わずか半日前に書いた「信念」のいくつかが
自分の中で消えてしまっていたのです。
それは、その「信念」を読んでも
「そういう気持ちはないなぁ」と思えるのです。
よく「知覚の拡大には信念の崩壊が伴う」
という話を聞いたり読んだりします。
言葉では分かっていてもなかなか経験し、
なおかつそれに気付くのは難しいです。
しかし僕の場合は、いきなり知覚が拡大したので
「数時間前の自分と比べて何が変わったのか」
というのがよく分かるのです。
人前で泣くことに意味があったかどうかは分かりませんが、
今までの経験にない行動を取ってそれを整理できたことが
信念の崩壊を招いたのだと思います。
その後にミツさんと大浴場へ行きました。
初めは大浴場に他の人が何人かいたのですが、
いつの間にかミツさんと僕と、広島から参加されているHさん
という人だけになっていました。
3人で湯船に浸かっているとミツさんが話し始めました。
「実は今回、一真くん以外にも、
Hさんも『上がる』って見せられたんですよ」
ミツさんはこういったメッセージは、その人と話す場面
が設定させられないと本人には伝えないそうです。
そして僕が驚いたのは、ミツさんは意図しないでも
その人とだけでゆっくり話すことのできる場面が設定されて
メッセージを伝えることができるのです。
「不思議なんですけども」
と淡々と言っていました。
Hさんはご年齢的にも大先輩で、
長年座禅を始めとする厳しい修行を自らに課し、
それを欠かさず実行しています。
いつもニコニコしてみんなを和ませてくれる
とても楽しい方です。
そんなHさんがミツさんからメッセージを伝えられると、
とても嬉しそうにしていました。
3人で15分くらい湯船に浸かって話していましたが、
本当に誰ひとり大浴場へ来る人はいませんでした。
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