今日はなんだか
胸いっぱい広がりすぎて、
少しだけ言葉を出すのが遅くなった。
ヒーリングに必要なのは
「無心」なのだと、
数年前に前里から聞いたことがある。
久しぶりにそれを思い出しました。
今日、ある方が東京オフィスに来ました。
カウンセリングを受けにこられたその方は、
体調があまり良くなくて、付き添いの方に支えられながら、
階段で2階に上がるのもやっとでした。
上がってからも椅子のところまで歩くことも難しく、
入口のそばまで椅子を持っていき、座っていただきました。
「 落ち着くまでしばらく休んでから始めましょう (^-^) 」
そう言って始まったのは
「ヒーリング」
目の前にある
黄色のノート、空には
太陽(sun)、
SAN。
黄色=太陽の光=太陽は英語でサン=そしてSAN(サン)冗談に思えるこの並びには、
意味がありました。
お好きな
色はありますか?
と聞かれたその方は、
「
明るい色が好きです。」
と答えた。
そして僕は、年始に前里に言われた言葉、
僕が
黄色のノートを持っている
理由になった言葉を思い出しました。
「今年はお前は
黄色が良い」
そして今朝、前里が僕に伝えたメッセージ。
「SANが宇宙船ごとお前に
チューニングを合わせている。」
「右手を使っ
てヒーリングができる。」
それで決まりました。
ヒーリングに
決め事はありません。
こうじゃないとダメだ!
という思いはすべてを
無にする。
だからこそ、その
シンクロを
決め事にしたのです。
その方が
痛みを持っている部位は、
むしろ
光沢のある黒でした。
鈍い輝きすら放っていた。
ひと目で
「硬い」と分かるその部位は、
「柔らかい」というキーワードを求めている。
眩しいほど
黄色い太陽の光は、
それを
焼き尽くすほどの力を持つが、
そうはしない。
「柔らかい」という
キーワードに向けてヒーリングは始まりました。
もう一つの理由もあります。
その方の中にも
「柔らかい=良い」という強い観念があった。
だからその方法を使いました。
10分ほどのヒーリングの後にカウンセリングをし、
最後に再度ヒーリングをして1時間が終わりました。
ヒーリングに決め事はない。確かにそれはない。
ただし、だからこそ
正解がわからない。
というより正解がない。
それは一瞬だけ
「迷い」を呼び込む。
実はヒーリングを始める前の
一瞬だけ、
僕は迷いました。だけどその瞬間、僕は
数年前のあの日を思い出したのです。
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ENDINGというプログラム。その前日の夜。
僕と一真くんは、前里の前に座っていました。
「今の二人ではこのプログラムにトレーナーとして
参加させられない。」
「参加者の一人としてならいいが、トレーナーとしては
無理だ。」
二人には
治す「気」がない。
人を
癒す「気」がない。
「そんなことはない!」と心で思いながら、
治せるとは思っていませんでした。
自分がヒーリングをするなんて、
正直
自信がなかった。「なぜそんなに人を思えないんだ!」
前里の言葉に自分のことが嫌になりました。
どうすればいいかわからない・・・
どうすれば人を思えるのか・・・
どうすれば・・・
その
思考のループに意味はなく、
だけど、ただ何もしないままそこに座っているのも耐えられず、
僕は
無駄な時間を過ごしました。
その時、前里が言った言葉。
「無心になったことはないのか。」
「本当に本当に心のそこから願ったことはないのか。」
そう言われた時、
僕は
子どもの頃のことを思い出しました。
父はガンで他界しました。
小学6年生の時でした。
約2年間の闘病生活。
すべてが一変した2年間。
僕は母親の姿をずっと見ていました。
僕の中で誰よりも強かった母親が、
時折見せる「弱さ」に僕は怯えていた。
だから僕は、父親の病気が治るように心から祈っていました。
だけどその願いは誰にも届かなかった。
そして2年後。
母親が病気で倒れる。
宮古島の病院では対応できないと、
そのまま飛行機で那覇の病院に飛び立ちました。
飛行機を見送りながら、
僕はその時
「無心」で願いました。
もうこれ以上何も起きないでください。
もう誰も死なないでください!
お母さんの病気を治してください!
・・・。
「無心というのはあの時の状態のことだ」ENDINGの前日。
僕は自然と
流れる涙をそのままに、
前里の話を聞いていました。
「今の状態ならなんとかなる」
前里はそう言って笑いました。
そして翌日から始まるプログラムで、
僕は
生まれて初めてヒーリングをしました。
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あれから数年の月日が過ぎて、
僕はまたあの日の夜を思い出した。
あの日の夜に思い出した「子どもの頃」も思い出した。
そしたら
迷いは消えました。その
2つの記憶の重なりが、
今日の僕に重なって、
あの1時間が終わった。
カウンセリングを受けにこられたその方は、
体調があまり良くなくて、付き添いの方に支えられながら、
階段で2階に上がるのもやっとでした。
だけど、一時間後
、一人で歩き、誰の支えもなく階段を下りて、
お帰りになりました。
僕らは、無心に人を思うことができる、とても優しい生き物だ。
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