14102001
朝早く、東京へ向かう
飛行機の最後部座席。
窓際に座っていたミツさんが
「これ読んでごらん」と、ある新聞の記事を
見せてくれました。
こんな記事でした。
エンジンを使った動力飛行の実用化には、
機体が空中で不安定になることを
当たり前の前提として織り込むという発想があったそう。
つまり、空中でいかに安定させるか
ではなく、不安定さのバランスを取りながら飛ぶ。
安定して飛びたいという
安定志向を、捨てた。
動力飛行の実用化、つまり発展のひとつが
安定志向を捨てることにあったのなら、
人間の成功とは、どこにあるのでしょう?
「変化」って、
「忘れること」「壊すこと」「捨てること」
「変化が宇宙の定数である」
とミツさんは言うけれど、
変化しようとして
自分ではない誰かになろうとした。
そんななかで変化を迎えながら、
まだ満たされないものを抱いている。
そんな人がいます。
また、変化が当たり前なのだから、
我先にと変わっていきたい!
といって、暗に
変化を認めない人。
そんな人もいます。
「強みをいかす」ことと
「変化する」ことは
まるで真逆のように
思っていました。
しかし動力飛行の実用化の話では、
不安定さという消せないような状況を
いかして成功した。
なくならないものを、いかした。
そんなことを考えていると、
ミツさんがこう言いました。
「変化って、もしかしたら
再認識することにあるのかもしれないね」
それを聞いた瞬間、
吹き出た笑いとともに
「なるほどぉ!」と声も出ました。
変化しかない宇宙で、
人は誰かに変化するんじゃない。
1人ひとりの個性をもった存在が、
その強みや好きをいかして生きる。
そして、それに
「これは強みだ!」「これは好きだ!」
と再認識してパワーアップするとき
成功への成長という変化を迎える。
恐らく、そういうことなのでは。
変化とは、自分に戻ること。
だからそれまでの自分を忘れるし、
それまでの自分が壊されるし、
それまでの自分を捨てることになる。
自分から、自分に変化する。
そして、飛行機から降りて歩きながら、
ミツさんが言いました。
「そう考えるともしかしたら、
人を捨てることに変化の中心があるのかもしれないね」
「はい!」と答えた僕は、
嬉しくてたまりませんでした。
変化の中心は、人を捨てること。
古い自分を捨て、今の強みや好きをいかすことに
変化の中心がある。
誰にも、ならなくていいし、
何かを、探すこともしなくていい。
元の場所へ戻るのが、変化。
ミツさんと活動をはじめて
丸6年が経ちました。
7年目に飛行機で聞いた、
変化の新定義。
もともと迷いはない、
だけど変化という言葉の透明感が
以前よりさらに澄んだように感じました。
株式会社 前里光秀研究所 和田一真
- 関連記事
-