「学問のすすめ」  中村寛子 

学問をするということは、
この世界のことや自分自身のことを感じ、考えて
どう生きるかということに真摯に向き合うということ。


私は知らないことを知りません。


学ぶ程に、私は何も知らない、と知ります。

そのことのなんとありがたく、しあわせなことか。
私はこの世界のことも、自分自身のことも、自分が本当の本当に
なにを望んでいるのかすら知らないのです。


分かった、と言いたい傲慢で生意気な私は、人との間に隔たりを
つくり、差別をし、バカにして、人の気持ちも自分の気持ちも
分からなくなっていました。

何が美しいことなのかも感じられなくなって、人より優れること、
認められること、偉くなること、いい人になることを目指していたと思います。

目指していたというのも違う、そんな自覚なく日々に埋没していました。
目の前のことに追われ、考えることを忘れた私の心はいつの間にか死んでいました。
そんな私に学問は生きることの意味を教えてくれました。


生きるとは、心が震えること。
自分と向き合い、この世界と向き合うこと。

時に、今まで見なかった自分の弱さや身勝手さと対峙します。
怒りや我慢が積み重なって、攻撃していたことを知ります。

そして、ふと、ずっと人とつながっていたこと、
ずっと支えられてきたこと、この世界の美しさに触れて、
しあわせになります。
心があたたかくなります。



学問をするということは、この世界の美しさを知るということ。
そしてこの世界そのものである自分自身を思い切り生きるということ。



前里光秀大学 創造学群Ⅰ類 進化生態学系

第2期生 中村寛子
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