前里 で、もう1つは、
「経営者本人の価値観を世の中に問う」 というのが経営の目的ですね。
なので、
「どう生きたいのか?」
「どういう人生にしたいのか?」「自分が何者であるのか?」 というものをわからずして経営はできないんですね。
「儲かりそうだからパッてやった…」、
それはどうせ沈んでいくのは当然のことです。
特に今の時代はそうですね。
一真 う~ん。
総合的に見て…儲かる…
たとえば、「お金を稼ぐということが経営の楽しみだ!」
と思ったときに、それはもちろん間違いじゃなかったとしても、
「俯瞰する」という意味で言ったら
その俯瞰していない抽象度が低いような状態で見てるから
そこだけを見てしまう…可能性が高いわけですね。
前里 そうです、そうです。
一真 「総合的に」ってミツさんが言っていたのは、
俯瞰して見たときに
「お金を稼ぐ」ことももちろん1つには入ってるんですけども、
それは
100あるうちの楽しみの要素の1つのように見えてくる。
という意味で「総合格闘技としての経営」が
ミツさんとしては「面白い!」と言っているわけですね。
前里 で、もう1つ。
みなさんが経営にもっているイメージ
としてあるのが、「競争」。
一真 競争…。
前里
「競争」という概念ですね。
で、実際に、たとえばじゃあ、
同じ業界であれば競争する。
だけど、僕の話をちょっとしますと
僕は競争が苦手なんですね。
一真 ミツさんが「競争が苦手」ですか!?
前里 苦手。
苦手だからこそ、やってることが
競争を超えた先にある、
「競争がない世界での経営」 っていう世界です。
これをつくる中ではじめて
競争せずに不安にならずにそれを売り出していく、つくっていく
ということができるというわけですから。
その
競争の世界を超えるという
「技術」「考え方」「文化」を受け取るというのが
このプログラムというの中で一番、最大の…。
一真 「競争から抜ける」と考えていいですか?
前里 抜ける。
「競争じゃない世界」で経営をやる。
一真 はぁぁ…これはもう…!
前里 競争…まあ一真君は好きかもしれないけど、
でも負荷がかかるでしょ?
一真 いやいやいや…(笑)
そうですね。
前里 ストレスもかかるし、それをどれだけ外しながら
「自分が好きなようにやっていけるか?」
っていう部分を考えるのが経営研修生の一番の目的
じゃないですかね。
一真
競争してる限り、
いつかは負けるときが来るわけですね。
前里 負けるときは来るし、疲れる。
一真 疲れるときが…はい。
前里
「心が疲れる」んですよね。
だからそれを生まないようにしていく
のが目的だと思いますね。
一真 なるほど。
たとえばあの、大企業でずっと継続されて
経営されている方とかはそれにはすでに気づいて、
そういうふうにやっている方が
そういうふうになっているわけですね。
前里 そこを気づかないと。
もちろん競争はあると思いますよ、
競争はあるけども「できれば競争がないほうができればいい」
というのがみんなの願いで。
だから、「じゃあどうするか?」と言うと、
ちょっとだけお話すると
「自分の人生そのものの会社をつくる」 と競争から抜けられます。
一真 人生とフラクタルになるような関係にならないと…。
前里 じゃないとそれができない。
だから、「自分の人生はこう!」
「会社の経営はこうやっていく」。
で、これは二分してる。
分離してるでしょ?
一真 そうですね。
前里 その
分離がある以上は、
それは絶対に掴めない世界ですね。
一真 そこでもいわゆるシンクロになってるわけですよね。
前里 はい。
「前里光秀研究所 三次元革命」より